Palermo"B"log: 7月 2013

2013/07/31

Serie B 移籍市場での展開(前編)

今日で7月も終わり。シーズンが終了してはや2ヶ月、チームは既に新シーズンに向けたスカッドを整えつつある様子。Josip Ilicicら主力選手が上位クラブに引き抜かれ、またSerie A 昇格だけでなくその後の戦いも考えなければならない中で若いGattusoとAmorusoのコンビが移籍市場でどのように振る舞うのかはかなり興味深い。

クラブは近年若返り方針を推し進めているが、振り返ってみると、これは2009/10シーズンにチャンピオンズリーグ出場権を獲得出来なかった事の影響が大きかったように思える。あの年4位でフィニッシュできていれば、まだまだこれからの選手だったSimon KjaerとEdinson Cavaniを手放す必要は無かったし、もっと緩やかかつ正しく世代交代を進めることができたはず。

二人の売却でクラブは2004年のSerie A 昇格後のサイクルに一区切りを付ける事にしたのだが、Udineseのように若手選手を育てあげる新方針はそう簡単に真似できるものではなく、つきつけられたのは降格という結果。このクラブはもっと高い目標が相応しいと思うし、不満や疑問はたくさんあるのだが、時間は戻らないし、むしろ残留できたとしても今後は一層困難な事態が待ち受けていたのは明らかだったので、半ば強制的とはいえ、腐りきったクラブが変化する機会を与えられた事は今後に向けて期待できる要素にも思える。

昨季のスカッドや今期のこれまでのイベントから、クラブがSerie Bで、そしてSerie A昇格後にどのようなスカッドを作ろうとしているのかあれこれと推測してみた。

昨季の基本陣容
2012/13シーズン指揮を執ったのはGiuseppe Sannino、Gian Piero Gasperini、Alberto Malesaniの3人。いずれもは3バックを採用する試合が多かったが、Egidio Alevalo RiosやJasmin Kurtic、Franco Brienzaのように監督によっていくらかの選り好みは存在した。

この年、夏の移籍期間はFederico Balzaretti以外に主だった放出も無かった代わりに、大金を投じて獲得したのもPaulo Dybalaのみだった。Giorgio Perinetti SDはレンタルに出していたJasmin Kurtic(Varese)、Samir Ujkani、Santiago Garcia、Michel Morganella(Novara)の復帰と安値で獲得できた数人のベテラン選手で補えると考えていたようで、膨れ上がった余剰人員の整理が主なタスクだった。

実際これらの選手はレギュラーとしてそれなりに活躍したのだが、あくまで”それなり”。1月の補強でもPietro Lo Monacoの連れてきた選手たちはAndrea Dossena以外は全く貢献できず、一時は最下位にまで落ち込む有様だった。シーズン終盤はやや持ち直し、いくつかの選手には期待できるところもあったとはいえ、18位という成績は極めて妥当な低レベルなチームだったように思える。(つづく)

2013/07/29

降格のその後

さようならブダンさん
さすがにSerie B。しばらく放置している間にこのクラブを取り巻く環境は大きく変わったようだった。チームは着実にSerie Bモデルに縮小化されているし、長年のアイコンだったミッコリもついにクラブを去った。移籍市場が開くたびに獲得候補のネームバリューが下がり、今季はもはやお前誰だというレベル…。

自分もよくわかっていなかったので、新シーズンに入ってからの展開とこれまでの移籍の動きを簡潔にまとめました。

降格決定後、クラブが最初に発表したのはNicola Amoruso(39)のSD就任。Amorusoは11年の現役引退後にRegginaのユースチームを率いた経験があるのみで、昨年9月にディレクター資格を取得したばかりの新米SD。Luca Cattani 前SDは今後はNovaraへ。このディレクター交代に伴い、テクニカル部門のマネージャー Giorgio Perinettiには"技術部門最高責任者"の肩書きが与えられ、今後はAmorusoのサポートを含めより幅広くチームに携わってゆくことになった。またマーケティング部門ではAtalantaからEnrico Bustoを引きぬくことに成功。

Amorusoの最初の仕事は監督選び。Giuseppe Sannino 前監督は2度目の就任後のチームの好転から続投の噂も流れていたが、結局Chievo を選択。後任はEugenio Corini(Chievo)かGiuseppe Iachini(前Siena)のどちらかが濃厚と見られていたが、最終的にチームは若手監督Gennnaro Gattusoに委ねられることになった。Gattusoは前所属先のSionからKyle Lafferty(25)の獲得を希望し、この北アイルランド人アタッカーが今夏の補強第一号と。この選手とは1月にも移籍交渉を行なっていたが、当時のディレクター Pietro Lo MonacoがMauro Boselli(Wiganにレンタルバック後Club Leónに移籍)を選択したためこの時は土壇場で移籍が流れていた。

一方の放出面では、契約が切れたFabrizio Miccoliがついにチームを去った。しかし、カピターノの最後は非常に後味の悪いものだった。Miccoliは6月半ばにマフィアとの繋がり及びこの繋がりの中でマフィア撲滅運動に身を捧げたシチリアの偉人 Giovanni Falconeを侮辱する発言をしたことが発覚しており、これが相当に大きな問題となった模様。Miccoliに与えられていたコルレオーネ市の名誉市民権は当然ながら剥奪され、英雄はブーイングとともに島から出て行った。

また、Maurizio Zamparini 会長の秘蔵っ子 Igor Budanの引退もクラブの変化を印象づける出来事。BudanはZampariniがVeneziaの会長だった時代から寵愛してきた選手で、レンタルや共同保有を繰り返しながらも10年以上Zampariniとともに働いていた。現役生活に別れを告げた元クロアチア代表は今後のキャリアのために今シーズンはチームマネージャーとしてPalermoのトップチームに帯同する方針。

彼らのトップチームは近年のプレシーズンでのコンディション調整の失敗から、この夏は数年ぶりにオーストリアでのサマーキャンプを実施することに。毎年恒例のVarese "Human Performance Lab"でのメディカルチェックの後、7月24日までザンクト・ラムブレヒト、8月6日までバート・クラインキルヒハイムに滞在する予定。

一方、ユース部門では近年の成功に貢献した育成部門最高責任者 Rosario Argentoが退団し、後任にPalermoでの2年目を迎える37歳のDario Baccinが就任。プリマベーラのチームは契約満了に伴い退任したPietro Ruisiに代わりTreviso 前監督のGiovanni Bosi(44)が指揮を執る。昨季はリーグ戦3位だったが、今季はいかに。

また、Juventus Arenaの設計などの実績を持つ建築家Gino Zavanellaは7月12日、新設する新練習場についての具体的なプロジェクトを発表している。Carini及びMontelepre地域にまたがって建設される練習場は天然芝および人工芝のピッチを合計で6つ持ち、トップチーム・ユースチームが同じ施設でトレーニングを行う。総費用は1500万ユーロの見通し。

2013/07/27

Eccomi qua.

欧州に挑む
新生活のリズムにも適応できてきたので戻って来ました。相変わらず更新感覚も内容も気まぐれなものになると思いますが、またよろしくおねがいします。

ブログをどういった雰囲気にするかはまだ決めかねているけど、140字で表せないことを極めて適当に書いていくことになるんじゃないかな。Palermoとカルチョを中心に思ったままにやろうと思う。