クラブは近年若返り方針を推し進めているが、振り返ってみると、これは2009/10シーズンにチャンピオンズリーグ出場権を獲得出来なかった事の影響が大きかったように思える。あの年4位でフィニッシュできていれば、まだまだこれからの選手だったSimon KjaerとEdinson Cavaniを手放す必要は無かったし、もっと緩やかかつ正しく世代交代を進めることができたはず。
二人の売却でクラブは2004年のSerie A 昇格後のサイクルに一区切りを付ける事にしたのだが、Udineseのように若手選手を育てあげる新方針はそう簡単に真似できるものではなく、つきつけられたのは降格という結果。このクラブはもっと高い目標が相応しいと思うし、不満や疑問はたくさんあるのだが、時間は戻らないし、むしろ残留できたとしても今後は一層困難な事態が待ち受けていたのは明らかだったので、半ば強制的とはいえ、腐りきったクラブが変化する機会を与えられた事は今後に向けて期待できる要素にも思える。
昨季のスカッドや今期のこれまでのイベントから、クラブがSerie Bで、そしてSerie A昇格後にどのようなスカッドを作ろうとしているのかあれこれと推測してみた。
昨季の基本陣容 |
この年、夏の移籍期間はFederico Balzaretti以外に主だった放出も無かった代わりに、大金を投じて獲得したのもPaulo Dybalaのみだった。Giorgio Perinetti SDはレンタルに出していたJasmin Kurtic(Varese)、Samir Ujkani、Santiago Garcia、Michel Morganella(Novara)の復帰と安値で獲得できた数人のベテラン選手で補えると考えていたようで、膨れ上がった余剰人員の整理が主なタスクだった。
実際これらの選手はレギュラーとしてそれなりに活躍したのだが、あくまで”それなり”。1月の補強でもPietro Lo Monacoの連れてきた選手たちはAndrea Dossena以外は全く貢献できず、一時は最下位にまで落ち込む有様だった。シーズン終盤はやや持ち直し、いくつかの選手には期待できるところもあったとはいえ、18位という成績は極めて妥当な低レベルなチームだったように思える。(つづく)